大分 カウンセリング ヒプノセラピー専門カウンセラーの弥永です。
カウンセリングをしていると多くの人が、考えたくないのに
考えてしまう。
心が疲れる。
脳が休憩出来ない。
という思考の問題を抱えているのです。
これらに気づき
考えるのをストップしようと意識で決断したとします。
すると、「さあ 考えるのをやめよう!」・・・と「あれ?考えてしまってるなぁ?」
「今日の夕ご飯は何食べようかな?」
「明日は、あの人(好きな人)に会えるな」・・・
「どんな話をしようかな・・・?」
「どんな服を着ていこうかな・・・?」
「あれにしよう!でも彼が気に入らなかったら、嫌だな」
とひと時も心を疲労させる脳内での会話は止まらずに
連鎖することに気づくかもしれません。
『情報のノイズ』が次々にあらわれストップできないことに気づき
初めて、思考の流れ・強さに気づくのです。
思考の流れの強さに気づくと、マイナス思考がいかに
辛いか?
あなたも体験したことがあると思います。
実はその「マイナスなとらわれの思考」に一度入ると
なかなか抜け出すのは容易ではありません。
多くのクライアントはネガティブな思考で苦しんでいます。
困っているのです。
最大の問題は
心とは「ひたすらにより強い刺激・快感を求めて暴走する」という特性を持っているのです。
つまり普通の思考よりも、
マイナスな思考の方が刺激が強いので引っ張られてしまうのです。
では、
どうすれば良いのか?
人間は、どのようにして情報を自分の脳内に取り込むのでしょうか?
五感を通して 私たちは情報を脳内に取り入れ、判断しています。
仏道では、目・耳・鼻・舌・身に加えた5感に加え、意という扉により
外部から刺激を受け認識しています。
たとえば、
目から見て認識する(目) ⇒視覚
言葉・音として認識する (耳)⇒聴覚
匂いとして認識する (鼻)⇒嗅覚
味わって認識する (舌)⇒味覚
身体で感じて認識する (身)⇒身体感覚
といった具合です。
ある日、恋人と歩いていたら、突然 雨が降り出した。
「あっ 雨だ(視覚) いやだな…服がぬれる感覚(身体感覚)は嫌いだな・・(意識)」
このように人は、五感で情報を取り入れて理解しています。
自分がネガティブ思考に陥ってしまうとき、
五感のどの構成要素(Submodalities)を使用してネガティブ思考に陥るのか?
知ることも役に立ちます。
この方の構成要素(Submodalities)のネガティブスイッチの条件に対する反射は、
視覚(Visual)→体感覚(Kinesthtic)→意識(Consciousness)ですね。
その逆をやってみるなどの方法もあるのです。
人が反応を受けるのは、条件(刺激・入力)⇒反射(結果)
その条件のパターン入力を変えていくという戦略です。
心理学の領域では、マインドフルネスという考え方もあります。
マインドフルネス瞑想法(mindfulness meditation)はすべての人に対して、
霊的信念や価値観などの変更や放棄を求めることをしない認知療法の一つです。
最近、「認知行動療法の第三の波」として注目を浴びるようになってきました。
マインドフルネス瞑想法のルーツは2600年前の
仏陀の観(ヴィパッサナー)瞑想に遡ると言われています。
マインドフルネスは「今の瞬間の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがままに自覚し、それに対する思考や感情には囚われないでいる心の持ち方、存在の有様」と言われています。
つまり「今ここで知覚される対象に注意を向け、その対象を思考の働きで変化させないよう
に気をつけ、観察に徹する行動」です。
具体的な方法については
熊野宏昭先生の説明が簡便で患者さんにもすぐ実践できるものとなっていると思います。
---------------く実践はここからです>-----------------------------------------------------
座禅をするときのように身体の力を抜き、
背筋をのばして座り(正座でも、椅子でも構いません)、
そして、呼吸に伴う身体の動きに気づきを向けます。
その際、呼吸は「ゆったりと」するくらいにして、なるべくコントロールしないようにします。
つまり、
<呼吸のことは呼吸に任せていく>のです。
そして、
例えば、お腹や旨の辺りの動きに気持ちを向けて、
「ふくらみ、ふくらみ」「ちぢみ、ちぢみ」と、身体が動く感覚をそのまま感じるようにします。
そうこうしていると、すぐに何かを考えているのに気づくでしょう。
そうしたら、「雑念、雑念」と心の中で2~3回唱え(ラべリング)、
※ラべリングとは浮かんでくる思考を「欲、雑念、痛み、不安、怒り、悲しみなど」に
分類してシールを張り付けるように、名前をつける行為をさします。
さらに「戻ります」と唱えて呼吸に伴う身体感覚に優しく注意を戻すようにします。
あるいはどこかに痛みを感じたら、「痛み、痛み・・・・・・・、戻ります」、
かゆみを感じたら、「かゆみ、かゆみ・・・・・・・・、戻ります」という具合です。
しばらく続けていくと、また何かを考えています。今度はしばらく気付かずに、
「あいつにだけは負けたくない」とか
「これだけは自分のものにしないと」などと考えてしまっているかもしれません
そういった場合は、思考のレベルを超えて感情が動き始めていますので、
「怒り、怒り、怒り」「欲、欲、欲」などと「ラべリング」していくようにします。
以上のように、雑念、五感、感情などに巻き込まれていることに気づいたら、
ラべリングをしてそっと呼吸の感覚に戻るということを、
繰り返し繰り返し行っていくわけです。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐くココまで>----------------------------------------------------
全て 呼吸に意識を戻すことで
冷静に思考を客観的に観察し、流していくという方法です。
うつやパニック障害などにも効果がでおり、
第三世代型の認知行動療法とも言われています。
「とらわれを手放す」ことにより
脳を休め、考えない・とらわれない
という練習が出来るのです。
考えないこと=休脳です。
神経を疲労させるのは思考なのです。
現在はより多くの最新情報を得た人や勉強した人が
有利であるとか、社会的に地位が高いといったような
「頑張らせること」や「考える」ことにフォーカス
させる方法論が蔓延しているように
見受けられます。
しかし、
うつや心の病で悩んでいる人や心がつらくなっている人
まで、「もっと頑張らなければならない・・・」「〜しなければなならない」
と思うことは、辛いことだと思います。
世の中の風潮が、あなたに必ずしも合うという確証はどこにもありません。
逆にそのことで、頑張りすぎたのかもしれないことに気づいてみて下さい。
頑張ることは決して悪いことではないと思いますが、
人生には棚卸や休息をとる時期があると思います。
季節の移り変わりは、四季があります。
動物も自然界も冬は活動を控えます。
様々な占術も、冬という時期があり、その過ごし方は
原始時代から私たち 人間の脳幹に備わっています。
物事の本質を知るには
原点に帰ること。
今 あなたが楽になるために
思考を休ませる訓練をすることが、あなたをうつや不安から遠ざける
ひとつの強力な方法になるのです。
少しだけあなたが楽になるための考え方を取り入れてみて下さい
時折、私のカウンセリングは催眠療法のみをやっているように
勘違いをされますが、あくまで催眠療法というのは多くの治療技法
の中のひとつの道具(ツール・手段)に過ぎません。
催眠を使わないクライアントの場合もあります。
あなた自身が楽になるために
様々な方法を使用します。
私自身が催眠療法というものに固執しない(とらわれない)ことも
たいへん重要なことなのです。
私はカウンセラー自身がどのくらい素晴らしい技法だと感じていたとしても
それが真理であると確信していたとしても、そのひとつのことだけに
「とらわれる」ことは、時に己・他者に対して「執着」を与えてしまうことも
あるのではないかと思っています。
本来、私たちは自由でとらわれないことが、心の平安であることを
忘れないでほしいと思います。
多くの選択肢を持っている
中庸(中立・ニュートラル)な思想を持たれている
カウンセラーに相談されることをお勧めいたします。